デルのゲーミングパソコン Alienware X51 R2をお使いのお客様より、使用していると突然 電源が切れて再起動を繰り返すとのこと、診断依頼をいただきました。
OSに異常があるのではと予測され、お客様側で初期化はされたとのことですが、それでも突然電源が切れてしまう症状は改善されなかったそうです。
パソコンが突然切れてしまう症状は、これまでにも何度か見てきましたが「これだ」という原因がハッキリしていないケースが多く、特定には難解を極めるケースが少なくありません。。。(マザーだったり、メモリだったり、電源ユニットだったり原因は様々。)
気温の高い7月ですので、もしかしたら本体内部にホコリが溜まっていて放熱の悪いのかな?と予測のもと内部清掃を行いました。
Alienwareはあまり業務では見かけない機種で驚きましたが、電源ユニットは本体内部には無いのですね。このでっかいアダプターが、その役目を果たして電源を供給しています。通常のノートパソコンの3倍ほどありますね。
さて、本体側面のカバーを外す為、1本のネジをプラスドライバーで外しますとカバーが外れます。それにしてもこんなスリムタワーに、これほどのパーツが凝縮されてるのがスゴイ!
ちょっとだけデルさんの本気を感じました。
CPUファンの状態。思っていたよりもホコリは溜まっていませんでした。掃除には、このファンのカバーを外す必要がありますので、留まっているネジ2本を+ドライバーで外します。
掃除機で吸い込みながら、エアダスターでホコリを吹き飛ばします。その後、無水エタノールを染み込ませた綿棒で綺麗に掃除します。
光学ドライブの下にもファンが隠れていますのでこちらも掃除。
GPU内臓のグラフィックボードには結構なホコリが溜まっていました。こちらも綺麗に掃除します。
ここでは、無水エタノールに浸した綿棒が大活躍。だいぶ綺麗になりました。
本体の4分の1を占めるような大きさのグラフィックボードを外しますと、ハードディスクがみえてきました。その手前には、本体前面につながるファンが見つかります。ここもホコリが溜まりやすい場所で放熱効果が高い為、念入りに掃除をします。
CPUファンを掃除中にふと、グリスの状態が気になりました。ここも放熱にはかかせない場所ですのでチェックしてみると、微妙な感じでした。もしかしたらCPUの放熱が上手くいかずに電源が切れてたのかな?
まずは古いグリスをふき取ります。
この時、無水エタノールやアルコールをふくませたキムワイプを用いて行うと効率が良いと思います。無水エタノールは、色々な用途に使えてホント便利です。
本体を元に戻し、デバイスのチェックを行いましたところ全て正常。
メモリテストも問題ありませんでした。
この後、OSを起動させ10時間程立ち上げておきましたが、突然電源が切れる症状はみられませんでした。
症状が起きるときと起きない時など偶発的なパターンだそうですので、まだ気は抜けませんが、今回の内部清掃とCPUグリスの効果が報われると有難いところです。
今回使用した作業道具(使い安くてお奨め)
とにかく静電気対策は必須です。トラスコ社の手袋は指先がウレタンコートになっているので物をつまんだりするのに便利。割とピッチリ締め付けられるのですが作業には悪くないと思います。工具はメーカー品が優れています。アマゾンで安いドライバーは長い目でみても安かろうなので。
電子部品の掃除には無水エタノールを使用します。そのままぶっかけるのではなく、キムワイプなどに浸みこませて優しく拭く感じです。ティッシュでは紙くずが出やすいのでNG。ハンドラップに無水エタノールを注いで、使う分だけ染み込ませるのがベター。
掃除には、綿棒が便利ですが先が細くて固めのものが便利です。エアダスターは水の出ないエレコム社が安くて良くてお気に入りです。