ここのところ連日のように『パソコンが起動しない』といった問い合わせが寄せられていますが、見てみるとどうやらハードディスクのパーティション情報や読み出しのシステム構成ファイルが不具合を起こしているようです。
これまで、USB-SATAアダプタで接続しても認識しないハードディスクの場合、弊社ではなく専門のハードディスク復旧業者への相談を持ち掛けていましたが、ここの所あまりにも同じような症状で困っている方が多い為、じっくりと調査してみましたところ、良い手段が発見できました。
その方法は、LinuxOSから壊れたハードディスクを読み出す方法です。
今回は、富士通 FMV LIFEBOOK AH53/U 2015年5月発表モデル からデータ救出を行いました。
Windows8.1モデル。購入してまだ2年ほどのパソコンだとのこと。Corei7搭載でまだまだ使いたい機種にも関わらず、突然OSが起動できなくなったとのこと。
起動時にOSの読み出しが行われず「復旧しています」とぐるぐる回っては、数分後に復旧できませんでした。のループだったとのこと。
ディスク診断ソフト「crystal disk info」では注意マーク
ノートパソコンの内臓ハードディスクを取り出して正常に起動しているパソコンにSATA-USB変換アダプタで接続してみましたところ、Crystal Disk infoでは「注意」のマークが表示されていました。強制終了が続いたせいか不良セクタも多数ありました。
Linux Ubuntuにてハードディスクを読み込ませたら、見れた!
これまで、壊れてしまったハードディスクをUSBアダプタで接続しても認識、読み込みしない場合は「専門の復旧業者でないとできません」と逃げ腰的な部分もあったのですが、今回のお客様はお子様が産まれた時からずっとの写真データがあるとお聞きし、いろいろと調べながら、どうにかデータが取り出しできないか試行錯誤しましたところ「Linuxならいろいろなフォーマットのデータが見られるよ」というSNSでの書き込みを見て実験!
VM WareでのLinux Ubuntuになりますが、読み込めなくなってしまったハードディスクをUSBアダプタにつないでみると・・・
データが読み込めた!
さっそくデータをUSBメモリに移行していきます。データ転送もWindowsより速い。。。すごいよLinux!ありがとうLinux。
6000枚以上の写真があり、すべて取り出しができました。お客様も大変喜ばれ、ホント徹夜してがんばった甲斐があります。
RAWと表示されているハードディスクも読み込める可能性あり。
実は別件で持ち込み相談のあったお客様は、ディスク管理上でRAWと表示されて中身が開けられませんでしたが、この場合もLinuxならデータが見える可能性があります。(今回は他社で対応されたそうですが、無事にデータ取り出しができたとのこと)
TestDiskなどのソフトもありますが、パーティションをいじくる前にLinuxで読み込ませてみるという方法も有効だと思います。ほか、データ復旧ソフトも各種ありますが、長い時間をかけてもすべてのデータが復旧できる可能性は低く、弱ったハードディスクにも負担をかけてしまうかと思いますので、手段的には後手に回しています。
今回使用した道具類
SATA-USB変換アダプターは1種類ではなく数種類の接続で試しています。これまでにも変換アダプターが原因でハードディスクが読み込めなかったり、SSD換装作業ができなかったりもした経緯があり1つのアダプターを過信していません。2.5インチハードディスクはUSBが1本で対外が認識しますが、3.5インチハードディスクの場合は電源用も必要なので、CyberPlugs社のものはお手軽で便利ですね。